2017.12.25

カブ

 

カブ(アブラナ科アブラナ属)

 

土壌医●藤巻久志

 

 聖護院カブと聖護院ダイコンは、どちらも白く大きな丸形で、とても似ています。聖護院カブはアブラナ属で菜の花の仲間ですから、花は黄色です。聖護院ダイコンはダイコン属に多い白い花を咲かせます。カブの肌はツルツルですが、ダイコンの肌にはひげ根の跡があります。

 カブは大カブ、中カブ、小カブがあり、色で白カブ、赤カブ、青カブがあります。日野菜カブや津田カブのように細長いカブもあります。在来種も数多くあります。

 ベランダで大カブの聖護院カブを作ると、一つのプランターでは2、3個しか収穫できません。プランター栽培では早生の金町系の小カブが適しています。

 カブはシードバーナリゼーション(種子春化)型といって、種が発芽したときから低温に感応して花芽を分化します。その後の高温と長日によってとう立ちは促進されます。1~2月でもプランターにビニールトンネルを掛けて保温すれば栽培できますが、とう立ちの心配の少ない3月下旬から種まきしましょう。

 深さ15cm以上のプランターに市販の培養土を入れ、条間10cmに深さ5mm程度の溝を付けて筋まきします。薄く覆土し、表土を軽く押さえ、種が流れないようにジョウロでたっぷり水やりします。

 発芽して双葉が開いたら、生育の遅い物、徒長した物を間引きます。順次間引きして、本葉4~5枚までに株間を10cmにします。間引いたものはみそ汁の具などに利用できます。

 カブに日が当たると、きれいな白色にならないので、土寄せか増し土をします。追肥は水やりを兼ねて、1000倍の液肥を1週間に1回の割合で施します。

 直径4~5cmになった物から収穫していきます。収穫の遅れは、す入りや裂根の原因になります。

 カブの花言葉は「慈愛」です。優しい食感を浅漬けやシチューなどにしてお楽しみください。