2014.07.25

ハクサイ よく締まった大球に育て上げるコツ

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 立派に仕上がった結球ハクサイの球は、70~100枚の大小多くの葉から構成されています。多くの葉を、天候の変わりやすい夏から秋にかけての短い期間で育て上げるには、四つのポイントがあります。それは、まきどきの選定と、良い苗作り、元肥入れと植え付け初期の管理・追肥、病害虫の防除対策です。
(1)まきどき。早過ぎると暑さのための生育不良や病害発生など、遅れると花芽が分化し葉の枚数増加が止まるまでの日数不足(15度以下の気温で花芽が分化)から、球の肥大不良になってしまいます。種まきの最適期は品種による違いも若干あるので、種子の入手の際によく確かめて決めてください。
(2)苗作り。128穴のセルトレイを用いるのが便利です。育苗専用のピートモスを多く含んだ用土を、各穴に均一に詰め、軽く指先で押さえて確認し、セルの仕切りが見えるようにすり切り、たっぷり灌(かん)水してから種子を1穴当たり4~5粒まきます。ふるいで均一に覆土してもう一度軽く灌水し、新聞紙を2枚重ねて覆い、乾いたら上から灌水します。3~4日で発芽するので、遅れずに新聞紙を取り除き、晴天なら朝夕2回灌水し、育つにつれて間引き、1本立てにし、20日ほどで本葉3~4枚の苗に仕上げます。
(3)元肥入れと植え付けの初期管理・追肥。ハクサイは多肥を好むので、元肥には良質の完熟堆肥と有機配合、油かす、化成肥料を多めに施します。ハクサイの根系は浅く広く分布する性質があるので、元肥はベッド全面にばらまき、20cmの深さによく耕し込むのが合理的です。
 苗は1カ所に2株植え付けましょう。残暑や強い風雨のとき、1本植えよりも初期生育が順調に進み、害虫の被害などによる欠株も生じにくいからです。活着し、本葉7~8枚になり競合してきたら生育の良い方1本を残して、他ははさみで切り取ります。
 追肥は植え付け2週間後に第1回目を、その後半月に1回ぐらい施し、どんどん生育を促します。結球開始のころには畑全面がハクサイ葉で覆われ、地面が見えなくなるぐらいの生育ぶりにしたいものです。
(4)病害虫の防除。苗床のころからアブラムシ、コナガの幼虫、ヨトウムシなどにやられやすいので、早期発見に努め、薬剤散布を行いましょう。育苗時から定植後しばらくの間は、べた掛け資材、防虫ネットなどの被覆による飛来回避も有効な手段です。

 

 

板木技術士事務所●板木利隆