2013.10.25

サトイモの収穫と上手な貯蔵の仕方

 

 

 

 

 秋に入って盛んに育ち肥大したサトイモは、晩秋に入ると育ちが止まり収穫期に入ります。

 収穫の時期は、葉の緑が黄化し始め、葉が少し垂れたころです。

 サトイモは寒さに弱く、1~2回霜を受けただけで葉は容易に枯れてしまいますが、このころが収穫期の限界です。掘り遅れると品質を損ねるだけでなく、貯蔵した場合の故障芋が多くなってしまいます。

 収穫に先立って、図のようにあらかじめ葉身を切り落とし、葉柄を地上4~5cmぐらいの高さで、かまで刈り取っておくと作業がしやすくなります。芋や根は強大に張っているので、株の側方に大きくくわを打ち込んで、子芋や孫芋を外さないよう注意して株全体を丁寧に掘り上げます。

 すぐ利用する場合は、その場ですべての子芋、孫芋、ひ孫芋を親芋から取り外します。多数の株を効率良く取り外すには、外側の外れやすい子芋を取り除き、側方から大きなビール瓶など(肉厚で壊れにくいもの)で強く打つと案外傷つかずによく外れ落ちてくれます。

 貯蔵する場合には、子芋、孫芋などを外さないように、特に注意して取り扱いましょう。外れてしまうとその傷口から傷み始めるので、故障株が多くなってしまいます。

 貯蔵する場所は排水の良い畑を選んで、図のように幅40~50cm、深さ60cmぐらいの貯蔵穴を設けます。そして、掘り起こした株を丁寧に運び集め、地上部の切り捨て口を下方に向けて積み重ねて詰め込みます。このとき反対に向けて詰めると子芋が親株から離れやすく、傷口から腐敗するものが多くなります。

 貯蔵穴に全部詰め終わったら、その上に麦わら、稲わら(カヤが得られれば最良)などを覆い、5~6cmの厚さに覆土しておきます。さらに厳寒期に入ったころ10~15cmの覆土を追加して寒さから守ります。

 条件の良い貯蔵穴があればこれを利用するに越したことはありません。

 関東南部以西の平たんな温暖地であれば、自家用の種芋の確保程度の小規模貯蔵なら、畑に置いたまま掘り上げずに、畝の上に厚く土を覆ったまま、あるいはその上に稲わらなどの防寒被覆を行う程度でも十分越冬させることができます。

 いずれの場合でも周囲に灌水(かんすい)しないよう、排水溝を設けておくことが必要です。

 

板木技術士事務所●板木利隆

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